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バックオフィスにおけるDX動向 – 人事編⑤ 「給与計算におけるHRテック」

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バックオフィス業務のDX(デジタルトランスフォーメーション)動向について考える本シリーズ、第5回となる今回は人事領域における「給与計算」のDX動向について、その必要性やソフト活用におけるポイントなどを探っていきたいと思います。

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給与計算における課題

給与計算は、勤怠・控除・支給の3つの要素で成り立っています。まず、労働時間や時間外労働時間、有休取得日数や欠勤・早退日数などの勤怠データを基に給与の計算を行います。給与が確定すると、そこから所得税や住民税などの税金、厚生年金保険や健康保険などの各種保険料を天引きする控除が行われ、給与から控除額が差引かれた額が各従業員に支給されます。これらに加え、結婚や出産、家賃や資格取得などに手当を支給する場合は、それに合わせて税金や保険料も変動します。

 

給与計算は定型的な事務作業に見えながら、想像以上に煩雑で複雑かつ手間のかかる業務です。毎年のように行われる法改正により、準備する帳票や書類のレイアウトの変更などが頻繁に起こり、毎月の給与計算に加えてボーナス、人事異動や年末調整など、様々なイベントに対応する必要があります。

そんな多忙な給与計算業務における課題の1つは、紙の申請書類やエクセルの煩雑な処理に追われることです。年末調整などの申請は未だに紙の書類で行われることが多いため、従業員からの申請書の回収からはじめる必要があります。そして、それらの内容を1件ずつエクセルに入力しデータを作成するなど、担当者は重い作業負担を強いられます。

また、パッケージ製品を導入している場合は、法改正のたびにシステム改修のコストと時間がかかり、かつシステムの運用保守を担当するIT人材が人事部門に不足していることも課題です。

 

クラウドソフトの活用で業務をDX化

大きな労力を要する給与計算業務ですが、現在ほとんどの作業はHRテックによって自動化することが可能です。中でも、クラウド型の給与計算ソフトを活用することで、業務を大幅に効率化することができます。

 

従来のパッケージ型のソフトは導入コストが高く、サーバーやソフトウェアを導入し運用保守管理を行う必要がありました。頻繁に行われる法改正に合わせ、都度ソフトのアップデートや更新プログラムのダウンロードなどが必要になり、場合によってはソフトを買い換えなければならないケースもありました。

しかし、クラウド型の給与管理ソフトは保守サポートの更新切れなどを気にせず、長期間に渡り安定的にシステムを利用することができます。また、法改正などに合わせた修正もクラウドサービス側で行われるため、プログラムの改修コストや検証にかかる手間が大幅に削減されます。

加えて、サブスクリプションサービスであるため、初期費用を抑えることができ、。費用が理由で給与計算のDXに取り組めていなかった企業も、クラウドサービスであれば気軽に導入することができます。

また、従来のパッケージソフトの場合、作成した給与明細を印刷し各従業員に配布する必要がありました。しかし、クラウド型の給与計算ソフトにはWEB給与明細の機能が備わっている場合がほとんどのため、給与明細のほか賞与詳細や源泉徴収票などを従業員はいつでもWEB上で確認することができます。

このように、クラウド型給与計算ソフトの活用により、勤務データの集計や給与計算だけでなく、給与明細の印刷と配布にかかっていた手間からも解放されるため、給与計算にまつわる業務を大幅に効率化することができるのです。

 

給与計算のDX化におけるポイント

クラウド型給与計算ソフトの導入を通じた給与計算業務のDX化において、重要なのはテクノロジーに合わせて自社独自の給与体系や賃金規定を柔軟に見直すマインドセットを持つことです。勤務管理編においても述べたことですが、個々の会社すべての規定に合うソフトはありません。「どのソフトもうちの賃金規定に合わない」という理由でクラウドソフトを敬遠するケースがありますが、自社に完璧に合うソフトを作るには膨大なコストをかけて1から開発を行う必要があります。

クラウドソフトのメリットは、手軽に導入ができ、バージョンが自動でアップデートされるため運用コストを抑えられるという点です。これらはクラウド上で多くのユーザーにサービスを提供することで成り立つメリットであるため、利用者側にもある程度の柔軟な姿勢や考え方が求められます。

また、割増賃金計算や複数の事業所に勤務する従業員の社会保険料の控除など、複雑なルールにより自動計算が難しい業務も存在します。給与計算におけるDXでは、人による判断や作業が必要な領域とソフトで完全自動化が可能な領域を棲み分けた上で、テクノロジーを活用することも重要です。

このように、場当たり的なテクノロジーの導入ではなく、どの業務にどのように活用するのかといった全体像をあらかじめ描くことが求められます。そうすることで長期的に安定して業務のDXを実現することができるのです。

 

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