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(JP Only) Case Studies of Leading DX Company with ”4 Key Success Factors” in Overseas Vol.1

前回の記事では、経済産業省が発表している「DX推進ガイドライン」を紐解きながら、DXを推進するための経営のあり方やDXを実現するためのITシステムの構築について考えました。DXを推進するためには、経営陣がコミットすることで適切な体制をつくり、全社的なITシステムを構築していくことが重要となるという結論でした。

それを受けて今回は、上記のような体制やシステムを構築し、DXを成し遂げた先進的な海外での事例を見ていきたいと思います。

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DXの成功事例とは?

先進的な成功事例をご紹介するために、1つ考えておきたいことがあります。それはDXの成功とは何か?ということです。DXとはこれまでみてきたように、全体最適を通して業務やプロセス、企業文化そのものを変革し、競争上の優位性を確立することです。

それでは、DXが成功した場合に企業が得られるものとは何でしょうか?

それは次の4つが挙げられます。

  • 顧客との関係強化

   →顧客の実際の購買行動に基づいた新しい購入への道筋の創造

  • 競合優位性

   →競合優位を持つプラットフォームの構築

  • データ

   →データの資産化

  • 革新的なサービス

   →アジャイルな試行による革新の創造

このような4つの成果を生み出した成功事例を取り上げたいと思います。

McDonald

マクドナルド(U.S.)は熾烈化する顧客獲得競争の中、2017年にVelocity Growth Planと呼ばれるDX化計画を策定し、次の6つをテーマに掲げました。

  • Retain(既存顧客の保持)
  • Regain(失った顧客の再獲得)
  • Convert(顧客のリピート顧客化)
  • Digital(顧客体験のデジタル化)
  • Delivery(マクドナルドでの体験をより多くの顧客に)
  • Experience of the Future in the U.S. (テクノロジーの力で未来の体験を顧客に)

これらのテーマに基づいて、特にAIの活用を大きく進めています。

例えば、昨年マクドナルドとしては過去20年で最大となる推定300億円でAIのスタートアップを買収し、顧客の嗜好や時間・天候などに応じて、AIがパーソナライズしてメニューを提供するというドライブスルーをアメリカとオーストラリアのほぼすべてのドライブスルーの店舗に設置しました。顧客の利便性を向上させることはもちろんのこと、ドライブスルーを訪れる顧客のデータを分析することで、データを資産化し活用しています。

さらに、様々なアクセントなどを認識し、対話ベースで自動注文できる技術を持つ別の音声認識のスタートアップを買収し、将来的にはモバイルやキオスク店舗での注文に活用しようとしています。

またMcD Tech Labsという研究所をシリコンバレーに設立し、最先端のテクノロジーをビジネスに活用する研究を進めています。

Anheuser-Busch InBev

世界最大のビールメーカーであるアンハイザー・ブッシュ・インベブは、それまで営業が各店舗を回りビールなどの飲料を受注していましたが、B2Bのモバイルのアプリケーションを開発し、大幅にビジネスを変革することに成功しました。

このモバイルアプリケーションはアンハイザー・ブッシュ・インベブの飲料を取り扱う酒店やコンビニエンスストア、スーパーなどに提供され、商品を補充する必要がある場合にモバイルアプリから発注できるというものでした。さらに単に発注するだけではなく、補充する商品のリコメンデーションなども行うもので、これにより営業は従来の受発注業務にかける時間を削減することができ、小売事業者と新しい商品や販売戦略などを提案するなど新しい関係を構築することができるようになりました。

さらにマクドナルドと同様にシリコンバレーにBeer Garageと呼ばれる最新テクノロジーを研究するラボを開設し、機械学習やAI、IoTの研究にも注力しています。

McCormick&Company

スパイス、調味料ミックス、調味料、およびその他のフレーバー製品の製造・販売・流通を行うマコーミック・アンド・カンパニーは、2つの分野でDXを成功させています。

まず自社の調味料を使ったレシピをリコメンデーションするFlavorPrintというサービスを立ち上げました。これは、オンラインでユーザーが食習慣や食べ物の好き嫌いに関する20個ほどの質問に答えることで、そのデータを活用してユーザーの嗜好にあったレシピをレコメンドするというものです。このサービスは「料理用Netflix」とも言われるほど成功をおさめ、Vivandaという別の会社としてマコーミック・アンド・カンパニーからスピンアウトしています。

さらに、AIを活用し自社が保持している調味料のデータを分析することで、新しい調味料ミックスを生み出すONE Platformというシステムを構築しました。このプラットフォームを活用することで、新製品の開発にかかる時間を従来の1/3に短縮することに成功しています。

Caterpillar

建設機械及び鉱山機械などの製造を行う世界最大の企業キャタピラーは、AIのスタートアップとタッグを組み、「Predictive Diagnostics(予測診断)」ツールを開発しました。このツールはキャタピラーのブルドーザーやショベルカーから機器や走行データを集積し、分析することで車両が故障する前にその予兆をとらえ、メンテナンスの必要性判断のサポートを行うというものです。

これにより、車両のパフォーマンスを最適化し、さらに故障率を低下させることが可能となっています。

まとめ

このように様々な視点でDXに成功している海外での成功事例をご紹介してきました。

次回は、日本国内でのDXの事例をご紹介いたします。

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