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(JP Only) Digital Transformation in Back Office – Legal Tech① “Case Study of Legal Tech”

これまでデジタルトランスフォーメーションのあり方や成功事例、さらにはAIやRPAを活用して自動化しやすいバックオフィス業務におけるDX動向について取り上げてきました。

前回の記事では、法務領域に関連する問題をテクノロジーを活用して解決する手段である「リーガルテック」について、その言葉の意味や必要性、活用方法などについてご紹介しました。AIによる契約書レビューや電子契約、デジタル・フォレンジックなど、すでに法務部門の様々な場面でDX化が進んでいます。

そこで今回は、法務部門におけるリーガルテックの活用事例について、以下の3社の取り組みに焦点を当てて考えていきたいと思います。

パーソルキャリア

キャリア転職を支援するサービス「DODA」を運営するパーソルキャリア株式会社では、電子契約サービスの「クラウドサイン」を活用し、クライアントとの契約締結までの時間を大幅に短縮することに成功しています。

人材紹介サービスでは、求職者の個人情報を取り扱うため、求職者の人選などを行う前に必ず求人企業と契約を締結しておく必要があります。これまでは、契約書を郵送し求人企業側で内容を確認した後に契約締結という流れでしたが、このフローだと契約締結までに少なくとも1週間はかかっていました。さらに、求人企業側の記入漏れなどがあると、締結までの時間は更に伸びてしまいます。

しかし、クラウドサイン導入後、契約書を送信してから1日以内に締結までに至る割合が約70%となったそうです。これまでは契約締結が完了するまでの時間に求職者の人選を行うことができず機会損失が発生していましたが、スムーズに契約締結を行えるようになったことで機会損失を防ぎ、より多くのキャリア機会を求職者に提供し、求人企業により多くの求職者を紹介することが可能になりました。

資生堂

株式会社資生堂のリーガル・ガバナンス部では、資生堂グループの各事業・機能のビジネスパートナーとして質の高いリーガルサービスを提供する部門ですが、以前から日常業務の中で効率化が可能な部分が多数存在することを認識していました。例として、日々の業務の中で参照する紙の法令集や書籍などは、法令改正が行われるたびに最新版に買い替える必要があり、紙媒体でテキストをコピーすることができないため、過去の文献を契約書雛形の一部に活用する場合には全て手作業でデータを入力する必要がありました。このような事務作業を効率化し、法務の専門家でなければ判断が難しいようなコア業務にリソースを集中させるため、リーガルテックの活用に踏み切りました。

そこで同社は、契約作成と契約書審査業務の効率化のため、契約書レビュー支援ソフトウェアの「LegalForce」を導入し、契約書の自動レビューを開始しました。その結果、特に不慣れな新規契約等における契約書の審査時間を大幅に短縮し、業務の効率化を実現しました。普段見慣れている契約書でも、自動レビューをかけることで今まで見たことのない条項や注意喚起が表示され、担当者が近年のトレンドなどを文献を通じて学習する機会の創出などにも繋がっています。また、共通の基準に基づく自動レビューの結果は、習熟度の低い法務初心者の教育にも活用可能で、トレーナーの属人的なクセによるトレーニーの知識のばらつきも防ぐことが可能になりました。

鹿島建設

スーパーゼネコンである鹿島建設株式会社において、技術開発に関係する契約レビューや開発成果を展開する際のスキーム検討など、知財法務領域のコンサルティング業務を行う知的財産部では、年々複雑化する業務の効率化に課題感を抱いていました。

昨今のオープンイノベーションが活発化により、異業種との連携や海外企業との提携など、知的財産部の担当領域は日々拡大しています。その結果、試行錯誤の連続の中で業務効率が低下し、部員1人1人の業務量が増加するといった事態を招いていました。

そこで同部門は、法務・コンプライアンス向けのクラウドエディタ「LAWGUE」の導入し、新規案件での契約書作成に活用することで業務の効率化を図りました。結果、自社の過去の契約書などの資産を活用したドラフト作成やレビュー支援などの機能に加え、文字のずれなどの非生産的な作業にかかるコストを大幅に削減に繋がっています。加えて、リモートワーク下でも過去の契約を参考にしながら業務を継続することが可能となり、場所を選ばずに業務を遂行することも可能になりました。


バックオフィス業務におけるDX動向、法務編の2回目はリーガルテックにおける実際の活用事例を取り上げました。未だ半信半疑な人も多いAIによる契約書の自動レビューなどについても、すでに多くの活用事例が存在します。『Small Start, Fail First(スモールスタート、フェイルファースト)』の心構えを忘れずに、成功を前提に考えずまずは小さく始めてみることを意識してみてください。

次回は経理部門におけるDX動向について、経理業務おける問題点やその解決策、DX化のポイントなどについてご紹介したいと思います。

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