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(JP Only) Digital Transformation in Back Office – HR Tech③ “HR Tech for Attendance Management”

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バックオフィス業務のDX(デジタルトランスフォーメーション)動向について考える本シリーズ、第3回となる今回は人事領域における「勤怠管理」のDX動向について、その必要性やソフト活用におけるポイントなどを探っていきたいと思います。

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正確な勤怠管理の必要性

人々の働き方は、人々のワークスタイルや私生活と仕事のバランスなどの社会背景によって変わっていきます。日本は戦後急速な経済成長を遂げましたが、その裏では長時間労働や過重労働などの問題が深刻化しました。厚生労働省のデータによると、1960年における30人以上の従業員がいる事業所の常用労働者1人あたりの平均年間総実労働時間数は、平均2432時間でした。これを月間と週間に換算すると、1ヶ月平均202時間、1週間平均約50時間の労働時間となります。

1980年代には「過労死」という言葉が登場し、政府は「労働時間の短縮の促進に関する臨時措置法」の制定とともに、労働時間短縮を支援する体制を整備しました。その後、1990年前後を境に年間の労働時間は2000時間以下となり、2019年の年間総労働時間(30人以上の従業員がいる事業所の常用労働者1人あたり)は1781時間となっています。

しかし、国全体としての労働時間の短縮は進んだものの、長時間労働を罰する法律がなかったために、一部の企業では依然時間外労働による長時間労働が深刻な問題として存在していました。

そんな中、2019年4月に「働き方改革関連法案」(働き方改革法)が施行され、時間外労働について明確な規制が設けられました。この規制では、時間外労働の上限を原則月45時間、年360時間とし、臨時的な特別な事情がある場合でも年720時間、単月100時間未満(休日労働含む)、複数月平均80時間(休日労働含む)を限度とすると定められています。この規則に違反した場合、雇用主に対して「半年以下の懲役」もしくは「30万円以内の罰金」が科せられます。

これを受け、企業はより正確に勤務時間を管理することが必須となりました。その勤怠管理のDX化をサポートするソリューションとして注目を浴びたのがHRテックです。その中でも、場所を選ばずにアクセスすることができ、低コストで手軽に利用できるクラウド版の勤怠管理サービスの活用が多くの企業で進んでいます。

 

クラウド型勤怠管理ソフトのメリットと活用ポイント

クラウド型勤怠管理ソフトのメリット

これまでは、タイムカードやエクセルの出勤簿などを活用した勤怠管理が一般的でした。勤怠管理の手法においては、厚生労働省が「客観的な記録を基礎として確認し、記録する」という労働時間を適正に把握するための基準を定めており、タイムカードによる勤怠管理はその原則に則しているものの、データの集計に時間がかかり、膨大な作業工数が発生していました。エクセルによる勤怠管理においても、関数が正しく組まれていなかったり、社員それぞれが自己流で作り変えてしまう可能性があるため、客観的な記録を担保することができませんでした。

それに比べ、クラウド版の勤怠管理ソフトは客観的な勤務記録を実現することに加え、労働時間や残業時間、有給使用日数などの自動集計、フレックスタイム制などの勤務形態にも対応することが可能です。法律や社内規定などの変更によるアップデートにも簡単に対応することができ、アップデートごとに運用コストが発生することがありません。加えて、給与計算ソフトなどと連動させることで、さらに利便性を高めることもできます。

このように、勤怠管理の客観性を担保した上で、多くの非効率な業務をDX化によって効率化させてくれることが、クラウド版の勤怠管理ソフトにおける大きなメリットです。

クラウド型勤怠管理ソフトの活用ポイント

次に、クラウド版勤怠管理ソフトの活用効果を最大化させるためのポイントを2つご紹介します。

①完璧なものを求めず、まずは一部で活用を始めてみる

これは他のソフトでも言えることですが、クラウド版勤怠管理ソフトを導入する際に、「自社の規則や就業ルールに100%合ったものが見つからない」といい、導入を先送りにしてしまうケースがあります。しかし、自社のルールに100%マッチするソフトを見つけることは非常に困難です。

大切なのは「スモールスタート」のマインドセットです。完璧なものを求めるのではなく、まずは今できるところから始めてみてください。そうすることでノウハウがたまり、勤怠管理をDX化するための足掛かりができます。

また、HRテクノロジーのサービスは、最適化された機能やUIをクラウドを通じて安価に届け、多くの人に利用してもらってこと成り立つビジネスモデルです。そのため、利用者側もサービスに合わせて社内ルールを柔軟にアップデートする姿勢や発想が必要となります。柔軟な姿勢や考え方こそが、HRテクノロジー活用における成功の鍵となるのです。

②業務環境に合った社内ルールを決める

クラウド版勤怠管理ソフトでは、ICカードのタッチや指紋認証、ドアの開閉時など、様々な打刻方法があります。また、打刻をするタイミングについても、始業直前やオフィスに入室する際など様々なタイミングがあります。これらは、正社員、アルバイト、フレックス制などの勤務形態に加え、自宅から顧客先に直接行くことの多い営業メンバーや完全リモートワークの事務メンバーなど、各従業員の働き方や会社の規則によって異なります。

クラウド版勤怠管理ソフト導入の際には、各社の業務環境に合わせ、社内ルールを適切に整備することが重要です。その上で、社員に対する説明や呼びかけを通じ、社内ルールの浸透を図ることが求められます。

 

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今回は、勤怠管理におけるHRテックについて、その必要性やソフト活用におけるポイントなどをご紹介しました。勤怠管理におけるDXは近年急速に加速しており、利便性の高い様々なサービスが存在しますので、是非チェックしてみてください。

次回は人事労務手続きにおけるHRテックについて考えていきたいと思います。

 

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